
今週の松坂屋名古屋店第1画廊は、萩焼の十三代田原陶兵衛先生の5年ぶりの個展を開催いたします
萩焼は少しの種類の土と釉薬の中から、
焼成方法などに変化をつけることで様々な表情をもった焼き物を生み出します。
今回ブログではその表情豊かな作品の中から7点をご紹介

↑「灰被三角花入」税込294,000円
燠(おき・赤くおこった炭火)に埋もれさせ、強い還元状態で焼く「灰被」は、
窯の中で最も温度が高く、火の強い場所で焼かれます。
とろっと融けた灰と釉薬が織りなす独特な景色が魅力
↑「七宝透菓子鉢」税込84,000円
白釉のかかった七宝透菓子鉢は、ある一方から見ると、とてもきれいな紫色
これは、焼き終わった後の窯に吹く、冷たい風が作品に当たることで生まれるそうです。
自然が生み出す、不思議で美しい変化。
登り窯ならではの趣深い景色ですね。
和物茶盌の格付けする言葉に「一楽、二萩、三唐津」というものがあるほど、
萩焼は茶人に愛された焼き物の一つです。
今展の出品作の中でも表千家、裏千家それぞれの宗匠が御書付を成された作品が何点かございます。
↑「白釉茶盌而妙斎御家元御書付 銘「白嶺」税込651,000円
こちらは表千家而妙斎御家元御書付。
萩焼伝統の白釉を施した、カイラギの景色も美しい茶盌です。
まろやかな釉は、手にとるとしっとりと馴染みます。
↑「茶盌 而妙斎御家元御書付 銘「山景」」税込651,000円
花びらが咲いたような、あるいはぽつぽつと空に輝く星のような窯変が美しい
化粧土掛けはずしの景色も面白いですね。
↑「茶入 而妙斎御家元御書付 銘「佳日」(仕覆:絖斎)」税込577,500円
↑「茶入 坐忘斎御家元御書付(仕覆:絖斎)」税込483,000円
茶入はそれぞれ絖斎作の仕覆が2点ずつ付いております。
小ぶりな茶入の中にも紅色と、ねずみ色の淡いグラデーションが生まれ、
柔らかな雰囲気が萩焼らしい作品。
↑「割高台茶盌 鵬雲斎大宗匠御書付」税込588,000円
薄くかかった白釉から土肌のあたたかい色味が浮き出ることでほんのりピンク色に染まった、
出品作の中でもひときわ珍しい作品。
しっかりとした割高台の力強さと、白釉の溜まりが生み出す美しい景色もまた
シンプルな中に変化を楽しむ萩焼ならではですね。
「萩の七変化」と言われるほど、使いこむほど変化し、味わいを増していく萩焼。
沢山使うことで、自分だけの景色を生み出せるのもまた楽しいですね!
思い通りにはなかなかいかない登り窯の、
窯の癖を理解しながら土に向かい続ける田原陶兵衛先生の
選りすぐりの優品の数々をぜひご覧下さいませ! (K)
「十三代 田原陶兵衛 作陶展」
2012年5/23(水)~29(火) 午前10時~午後7時30分 *最終日は午後4時閉場
松坂屋名古屋店 南館6階美術画廊(第一画廊) TEL(052)264-3383