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2020年2月 7日 (金)

近代 柿右衛門・今右衛門展@大丸心斎橋店

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本館8階 アールグロリュー ギャラリー オブ オーサカにおきまして、

「近代 柿右衛門・今右衛門展」を開催いたしております。

日本初の白磁が生まれた地、有田にて優美で格調高い作品を作り続けている

酒井田柿右衛門と今泉今右衛門。会場では近代の名品を一堂に展覧いたしております。

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近代 柿右衛門・今右衛門展


2月5日(水)→11日(火・祝)


<最終日は午後5時閉場>


大丸心斎橋店 本館8階


アールグロリュー ギャラリー オブ オーサカ


○酒井田柿右衛門


江戸時代、「柿右衛門様式」と呼ばれる有田焼がヨーロッパ王侯貴族へと輸出され、

「柿右衛門」は最も広く世に知られた日本の色絵磁器といわれております。

柿右衛門はヨーロッパで「白い金」と珍重され、ドイツのマイセン窯や

イギリスのチェルシー窯、ボウ窯、フランスのシャンティ窯などで

柿右衛門写しが作成されるなど西欧世界に多大な影響を与えます。

しかし、欧州で磁器生産が盛んになると共に柿右衛門は急速に衰退を始めます。

以降低迷を続けていた柿右衛門窯を再び蘇らせるため、

十一代柿右衛門は強い意志を持って作陶にうちこみ、

また、息子の十二代柿右衛門は、戦前・戦中の困難な世にあっても、

有田の高級色絵磁器に情熱を抱きつづけました。

やがて十二代柿右衛門は輸出最盛期の濁手作品の素晴らしさに魅せられ、

辛苦の末、ついに息子の十三代とともに濁手作品の復活に成功します。

この功績が高い評価を得て、重要無形文化財の総合指定を受けました。

十三代柿右衛門は自然の草花のスケッチに丹念に取り組み、

のびのびとした画風で独自の世界を築きました。

十四代柿右衛門は十二代、十三代が復興させた濁手を技術に

更に磨きをかけた作品を作り上げ、重要無形文化財の個人指定(人間国宝)を受けました。

濁手…赤い絵付が映えるようなミルキーであたたかな白色の素地の作品。

1670年代に完成した技法とされています。通常の作品に比べ

複数の石を組み合わせて作られているため焼き上がる数も少なく貴重です。

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↑右:十三代 柿右衛門「濁手粟鶉文香炉」1964~82年

↑左:十四代 柿右衛門「濁手椿文香合」1983~2013年

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↑十四代 柿右衛門「濁手えのころ草文瓶」1983~2013年

○今泉今右衛門


今泉家(今右衛門)は鍋島藩窯専属の赤絵屋(絵付工房)として、

世に名高い色鍋島の絵付けを担当していた家系でした。

江戸時代中頃に全盛期を迎え高い名声を得た鍋島藩窯の焼物も、

後期以降は藩の勢力と同様に衰退の道を辿ることになります。


明治維新の窯業自由化を機に、かつての鍋島全盛の作風を取り戻そうと

作陶を始めたのが十代今右衛門でした。十代は、窮状にも屈せず、

資金のやりくりがつくと窯を焼き、十一代はさらに厳しい経済状態の中で、

注文取りに回るなどの苦労をいとわずに窯焼を続けました。

このような親子の苦労はやがて実り、色鍋島再興の悲願は達成され、

十二代に重要無形文化財の総合指定、さらに十三代の個人指定といった

輝かしい完成期を迎えるのです。

十四代は伝統を受け継ぎつつ、プラチナ箔、墨はじきなど

現代の暮らしにあわせたモダンな作品を作っています。

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↑十三代 今右衛門「色絵吹墨草花文花瓶」 1976~2001年

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↑十三代 今右衛門「色絵薄墨草花文花瓶」 1989~2001年


匠の技が光る、近代の名品の数々をご堪能くださいませ。

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